将棋を指す時と囲碁を打つ時における「集中的思考と拡散的思考」

 集中的思考は、「唯一の解がある問題」の解を探す時における思考。拡散的思考は、「多数の解がある問題」の解を探す時における思考。


 「将棋を指す時に集中的思考をしたがる」つまり、「その局面の最善手がひとつに決まりそうな局面になるように指す」棋士三浦弘行さんや、宮田敦史さんや、加藤一二三さんです。三浦さんは右四間飛車や相横歩取りや角交換振り飛車穴熊などの比較的変化の少ない戦法を、他の棋士に比べてよく指す。前ふたりは詰め将棋を好む。


 一方、「将棋を指す時に拡散的思考をしたがる」つまり、「「その局面の最善手がひとつに決まりそうな局面」にならないように指す」あるいは「序中盤を考えるのを好む(序中盤は最善手がひとつに決まらないので)」棋士羽生善治さんや藤井猛さんとかです。


 「囲碁を打つ時に拡散的思考をしたがる棋士」は王メイエンさんとかです。「囲碁を打つ時に集中的思考をしたがる棋士」はいるだろうけど、僕は知らない。


 囲碁でも将棋でも、僕は変化の少ないの手順は好きでなく、拡散的思考を好く。また、詰め将棋にも必至問題にも詰め碁にもあまり興味がない。

 左が集中的思考の、右が拡散的思考のイメージ。将棋の場合、前者は直線的な読み、後者は曲線的な読みと呼ばれる。ただ、曲線的というよりツリー的あるいは樹形図的な読みと呼んで欲しい。