アインシュタインは裏表のない素敵な人です。

 『評伝 アインシュタイン』をやっと読み終わった。実在した人間の中では、アインシュタインは、最も心が汚くない人の一人。アインシュタインについての話を読むと、落ち着く。その例を以下に引用する。

 その生涯を通じて、アインシュタインはある意味で非常に孤独な人であった。彼は数理物理学におけると同様、音楽にも宇宙の調和を求めた。そして彼はその全生涯を通じて、これら二つの分野にたずさわっていた。その他のものはすべて、この目標に向かっての彼の進歩に影響があるときだけしか意味がなかった。彼は、共に音楽を奏し共に宇宙についての考えを語る友を求めた。しかしながら彼は、彼の自由にどんな意味でも干渉するくらいまで、その友人と親しくなることを好まなかった。

 次はアインシュタイン自身の言葉。

 私は、どんな地方や国にも友人の集まりにもまた私の家族にさえも、心から帰属していたことはない。これらの関係には、いつも漠然たる無関心が伴っていた。そして、自分自身へ戻りたいという希望が年とともに増して行った。