類人猿の序列

 ナショナルジオグラフィックチャンネルの『猿人エイプマン』という番組を見た。以下はそれに基づいて書く。類人猿とは、ヒト・チンパンジーボノボ・オランウータン・ゴリラなどのこと。ここでは類人猿の社会における序列を決定するものと、序列の役割について書く。


 すでに秩序のある集団に新しく入る個体は、上半身を倒し、つまりかがみ、さらに歯茎をむき出しにすること(劣位の笑み)により敵意がないという合図を出し、集団に受け入れられやすくする。仲間(同じ集団に属する個体同士)は雑談(無駄話)したり、毛づくろいなど身体を触れ合ったりする。


 集団全体からして下位同士の個体は互いに興味がない。


 集団全体からして下位の個体は、自分の体を無意味に触ったり、口を半開きにしたり、猫背になったりして縮こまることが多い。声が高く小さいことが多い。また、毛並と衣服(衣服はヒトの場合のみ)に手間をかけられておらず、整っていないことが多い。


 ある個体は、自分より上位の個体の前では低い姿勢になる。また、自分より上位の個体の毛づくろいをする。ヒトの場合はお世辞を言う。


 自分より下位の個体には笑い声を浴びせる。互いに笑いあうのは対等な関係であるとき。


 集団全体からして上位の個体は体が大きいことが多い。あるいは、体が大きく見えるような動作をする。例えば腕や脚を大袈裟に振るなど。また、毛並みと衣服に手間をかけられ、整っていることが多い。また、仲間から目立つことをする。相手の至近距離にも遠慮なく入る。他個体が従わないと、物を投げたり大きな音を出したりする。また、低く大きな声であることが多い。また、多くのメスに好かれるオスであることが多い。また、非常事態にも冷静で、集団内で争いが起きれば仲裁し、仲間を統率する。


 ただし、以上のことは、地球上では数少ない、理性を十分持つヒト個体の場合には当てはまらない。